2009年2月23日月曜日

HTML 5のオフラインデータの保存に関する標準に準拠

Googleのエンジニアリング担当バイスプレジデントであるVic Gundotra氏は、バルセロナで開催のGSMA Mobile World Congress 2009において、iPhoneがオフライン中でも使用可能な、同氏が「テクニカルコンセプト」として紹介した、Gmailのデモンストレーションを行った。Googleは1月、デスクトップおよびノートPC向けに、Gmailのオフライン機能をリリースしたが、今回の携帯電話向けオフライン機能も同様に、ネイティブアプリケーションとしてではなく、ウェブブラウザ上で動作する。

 Gundotra氏は、iPhoneのワイヤレス接続を無効にする機内モードに切り替えても、Gmail内のメールを閲覧して読めることを示してみせた。このデモンストレーションを見るには、iPhone Buzz上のデモビデオをチェックしてほしい。

 オフライン機能では、当然ながら、ネットワークから新しいデータを取得することができないものの、再びネットワークに接続した時に、同期するようになっている。一方、オンライン中でも、メールは携帯電話上のローカルデータベースに保存される。

 Gundotra氏は「このローカルデータベースの使用によって、Gmailの動作は、非常に高速になっていることに気づくだろう」と述べた。今回披露されたGmailでは、受信箱をスクロール中に、浮き上がって表示されるツールバーなども紹介された。

 Googleが、iPhone向けに、ウェブベースのGmailアプリケーションの新バージョンを検討していることには、いくつかの理由で意義深いものがある。まず、Googleは、iPhone上でもGmailの全機能、たとえば、 検索、ラベル分類、スレッド機能なども提供したいと考えている。Appleがデフォルトで提供している、iPhoneのメールアプリケーションには、こうした機能が搭載されていない。しかしながら、より広義には、ウェブベースのアプリケーションによって、AppleやMicrosoftなどの特定の企業がコンピューティング技術に課す制限を回避できることを示したという点でも、大いに意義がある。

 Appleは、iPhoneおよびiPod touch向けのソフトウェアをダウンロード購入できる「App Store」で、大きな成功を収めてきた。しかしながら、同社は、App Storeに制限をかけており、iPhoneやiPod touch向けに限定して開発されたソフトウェアのみが並んでいる。一方、ウェブアプリケーションであれば、ウェブブラウザ上で動作することになり、すべてのスマートフォンには、ブラウザが搭載されている。もちろん、ハードウェアやネットワークの制約により、デスクトップアプリケーションと比較して、ウェブアプリケーションは貧弱になりがちではある。

 とはいえ、ウェブアプリケーションの力は、利用者に制限を加えるものとならないことを示す例として、Gundotra氏は、Googleの「Android」OSを搭載した、新たな携帯電話「HTC Magic」上でも、(iPhone向けに開発されたものと)同じGmailソフトウェアが動作することを証明してみせた。

 Gundotra氏は「新しいHTML 5のウェブブラウザの最新仕様を実行できるデバイスであれば、どんなデバイス上でも動作するアプリケーションの構築が可能になった」と語っている。

 Gmailソフトウェアの携帯電話バージョンは、オフライン機能の提供に、やや異なるアプローチを採用している。

 デスクトップバージョンでは、Googleが開発した、「Gears」と呼ばれるオープンソースのブラウザプラグインが採用されているものの、iPhone向けのバージョンは、ウェブページの記述に徐々に用いられるようになってきた、HTML 5のオフラインデータの保存に関する標準に準拠している。この技術標準により、アプリケーションの状態や、メッセージなどのデータのキャッシュが利用可能となる。


http://japan.cnet.com/mobile/story/0,3800078151,20388563,00.htm

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